今回は「建売住宅、最近売れてないらしい」という、住宅業界のリアルな話題について深掘りしていきたいと思います。
自分自身、かつて建売住宅に住んだ経験もあり、現在は注文住宅を手がける立場として、両方の良さと課題を知っているからこそお伝えできることがあります。
この記事では、なぜ今、建売住宅が売れにくくなっているのか、その背景・原因・そしてこれからの住まいの選び方について、分かりやすくまとめてみました。
目次
1. 建売住宅とは?改めておさらい
建売住宅とは、不動産会社や住宅会社が土地を仕入れた上で、間取り・仕様を決めて建てた住宅を、完成後にまとめて販売するスタイルです。
クロスの柄やキッチンの仕様を選べる余地はほぼなく、「できあがったものを買う」という感覚に近いです。
2. 「安くて買いやすい」はもう昔
かつての建売住宅は「1,980万円でマイホーム!」といった夢を叶える価格帯でした。ところが現在、同じエリアで3,000万〜5,000万円台が当たり前に…。
価格がここまで上がると、「それなら注文住宅で…」という声が増えるのも当然です。
3. 時間がない人には便利。でも本当にそれでいい?
建売の良さは「即入居できる」「考える手間がない」ところ。でも、たった1週間で一生住む家を選ぶのは、やっぱりリスクも大きいもの。
4. 注文住宅との決定的な違い
注文住宅は家族のライフスタイルや価値観に合わせてゼロから設計するもの。建売住宅は、あくまで「不特定多数の誰かのために設計された家」です。
5. 今の建売が売れにくい理由①:価格が高騰
建築資材や人件費の高騰により、建売でも建築費は2,000万円を超える時代に。土地代を加えると「注文住宅並み」の価格になってしまい、“安さ”という最大の武器が失われています。
6. 今の建売が売れにくい理由②:性能不足
断熱性能や耐震等級、補助金対応…いずれも建売では後回しになりがち。
一部の高性能建売(例えばZEH対応)は評価されていますが、コストを重視するあまり最低基準ギリギリの建物が多いのが現状です。
7. 今の建売が売れにくい理由③:ライフスタイルと不一致
家族の人数や暮らし方が多様化している今、「万人向けの間取り」では対応しきれない時代に入っています。
特にお子さんが多いご家庭や、在宅ワークが中心の世帯にとっては使いづらさが先に立つことも。
8. メンテナンスの不安と「売りっぱなし問題」
建売は販売後、施工会社と縁が切れてしまうケースも多いです。
「どこに相談すればいいか分からない」「建てた会社がもうない」なんて声も。これは今後の住宅選びにおいて大きなリスクです。
9. それでも建売は“悪”じゃない
予算的な制約がある中で、賃貸よりも自分の家を持ちたい――そんな人にとって建売は大事な選択肢です。
ただし「よく知ったうえで選ぶ」ことが大前提です。
10. これからの建売に期待すること
これからは「高性能な建売」がスタンダードになっていくかもしれません。
実際、ZEH水準やパッシブ設計を取り入れた建売も少しずつ登場しています。そういった動きが増えれば、選択肢はもっと広がっていきます。
建売住宅が「売れない」と言われるようになった背景には、価格の高騰・性能不足・暮らしとのミスマッチといったさまざまな理由があります。
特に現在の建売は、以前のように「安いから選ばれる」という時代ではなくなっています。
注文住宅との価格差が縮まり、“コストを抑えた注文住宅”との競争が始まっているのです。
でも、建売住宅そのものが悪いわけではありません。
「このエリアに住みたい」「早く入居したい」「子育てが落ち着いたら建て替えるつもり」…そうした明確な目的があるなら、建売住宅は有力な選択肢になります。
今後、性能の高い建売住宅がもっと増え、「価格」だけでなく「価値」で選ばれる時代が来ることを願っています。
その時に大切なのは、やはり“情報と選択肢”をしっかり持つこと。
建売だからといって妥協せず、注文住宅も視野に入れて、自分たちの理想に合った住まい選びをしていきましょう。
【お知らせ】
このような住宅の最新情報や、省エネ住宅の実例などを発信しています。
ぜひYouTubeチャンネル登録をして、快適な住まいづくりにお役立てください。
また、齊藤建設は、高性能で省エネな家づくりをしています。
埼玉県鶴ヶ島市を中心に、南は朝霞市、北は深谷市まで広く活動していますので、
省エネ住宅に関するご相談がございましたらお気軽に株式会社齊藤建設までお問い合わせください!
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!