
今回のコラムでは、築130年の古民家を現代の暮らしに合わせて再生した、
齊藤建設によるフルリノベーションの事例をご紹介します。
ただ新しくするのではなく、家族の記憶や建物の歴史を丁寧に受け継ぐことを大切に。
「想いをかたちにするリノベーション」の真髄を、ぜひ感じてみてください。
1. プロジェクトのきっかけとお施主様の想い
今回のご相談は、お施主様が「かつて家族で過ごした古民家にもう一度住みたい」という思いから始まりました。
しかし築130年という年月は、建物に多くの劣化と制約を与えていました。
再建築不可という法的な縛りもあり、「壊して建て替える」選択肢はありませんでした。
そこで、“残しながら、活かす”という方向で話が進んでいったのです。
2. 築130年の現状と課題
最初に訪れたとき、針や柱がほこりに埋もれ、その美しさが見えない状態。
しかし、磨いていくうちにその素材の力強さと美しさが際立ち、
「これは絶対に残したい」そう強く感じたのを覚えています。
古民家特有の石場建て構造、老朽化した水回り、そして耐震性の欠如…。
現代の生活に合わせるには多くの課題がありました。
3. 解体工事と構造の見極め
解体が始まると、家の骨組みが見えてきました。
中には石の上に直接柱が乗っているだけの部分もあり、柱は30cm角の極太材。
一見強固そうですが、地震には弱い構造です。
その複雑さから、「どう直せばいいのか、どこを基準にするのか」という判断が非常に難しい現場でもありました。

4. 石場建てからベタ基礎へ
構造の不安を解消するため、今回は石場建てを撤去し、全面にコンクリート基礎を施工。
鉄筋・アンカーボルトを打ち込み、地震に耐える現代基準の土台を作りました。
こうした「見えない部分」の強化こそが、リノベーションの本質です。
5. 耐震と制振のハイブリッド構造補強
構造補強では、伝統工法の良さを活かしながらも、耐震補強材+制振テープの導入によって、揺れを吸収する設計に。
大地震でも安心して住める家へと再構築しています。
6. お施主様の“山の木”を活かすこだわり
お施主様のお父様が山から伐ってきたという地元の木材。
「この材を使ってほしい」という願いに応えるため、家具・内装材として再利用しました。
想いのこもった木材が、再び家族の時間を支える構造へと生まれ変わりました。
7. 間取りと空間デザインの刷新
旧来の生活スタイルから、現代的で使いやすい間取りへ大幅に刷新。
古き良き素材を活かしつつ、回遊性の高いレイアウトや対面キッチンなどを導入し、
機能性とデザイン性を両立させています。
8. 間接照明が演出する“癒しの時間”
特にこだわったのが照明設計。
構造材を活かした天井裏に照明を仕込み、線が見えずに“天井が光る”演出に。
まるで旅館のような、落ち着きのある空間が生まれました。
9. 古き良き素材を見せる演出手法
玄関の梁や天井の構造などは、「隠すのではなく、見せる」デザインに。
高低差を生かした天井構成や梁見せ仕上げで、古民家らしい魅力が際立ちました。
今や「カフェですか?旅館ですか?」と聞かれるほどの仕上がりに。
10. リノベの本質:信頼と“諦めない現場力”
リノベーションは、「途中で全貌が見えない」のが難しさ。
お客様に「信じてください」としか言えないこともあります。
それでも、想いと技術のぶつかり合いを経て最後までやり抜くことで、
圧倒的な満足につながる空間が完成しました。
“記憶”を未来へ受け継ぐ、最高の仕事
リノベーションという仕事は、単なる工事ではありません。
それは「過去と現在、そして未来をつなぐ」架け橋のようなものです。
今回のような築130年の古民家では、素材の強さと家族の想いという
目に見えない価値が眠っています。
私たち斎藤建設は、それを見極め、引き出し、未来へつなぐ仕事をしています。
たとえ完成までに10ヶ月かかっても、
「ここまでやった」と胸を張れる家づくりができるなら、
それは本当に誇りに思えることです。
最後に、こうしたリノベーションは、
事前に全てを説明することが難しいこともあります。
だからこそ、信頼関係と諦めない現場力が何よりも大切。
これからも、お客様の“想い”を第一に、
「過去を生かし、未来をつくる」家づくりに取り組んでまいります。
【お知らせ】
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今回ご紹介した省エネ設計の住宅は、齊藤建設で建てることができます。
埼玉県鶴ヶ島市を中心に、南は朝霞市、北は深谷市まで広く活動していますので、
省エネ住宅に関するご相談がございましたらお気軽に株式会社齊藤建設までお問い合わせください。
それでは、また次回のコラムでお会いしましょう!